千曲市/坂城町(長野) 五里ヶ峯(1094.4m) 2024年3月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:10 窪山展望公園−−4:22 尾根取付(害獣除け柵)−−5:20 ワカン装着(標高800m付近) 5:24−−5:35 送電鉄塔−−5:40 875m峰−−6:07 942m峰−−6:37 971m峰−−6:43 920m鞍部(商売池口)−−6:48 勘助道−−7:34 五里ヶ峰 8:06−−7:48 勘助道−−7:50 920m鞍部(商売池口)−−7:57 971m峰−−8:13 942m峰−−8:27 875m峰−−8:29 送電鉄塔−−8:40 ワカンを脱ぐ(標高690m付近) 8:42−−8:59 尾根取付(害獣除け柵)−−9:14 窪山展望公園

場所長野県千曲市/坂城町
年月日2024年3月2日 日帰り
天候雪後晴
山行種類一般登山+プチ雪山+プチ藪山
交通手段マイカー
駐車場あんずの里 窪山展望公園を利用
登山道の有無尾根取付〜875m峰北西の送電鉄塔は道無し。875m峰北西の送電鉄塔〜五里ヶ峯までは登山道あり
籔の有無ほぼ無し。ただし道が無い尾根の下部では倒木が多い
危険個所の有無無し
山頂の展望西側が大展望
GPSトラックログ
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コメント今週は2回降雪がありラッセル覚悟でワカンを背負っていったが、予想以上の積雪で五里ヶ峯で断念し往路の自分のトレースを戻った。標高950m以上ではワカンを付けても最大で膝丈のラッセルで、下りで自分のトレースがあってもきつく、帰宅後も足の疲れが取れなかった。出発時は雪が降っていたがその後は回復して晴れたが、長野盆地より北及び西側は雪雲が覆ったままで、下山後も盆地内では雪が舞っていた


尾根取り付き付近の工場に居ついている猫。この日は4匹が日向ぼっこをしていて、写真はそのうちの2匹


窪山展望公園駐車場を出発。気温は約-1℃ 尾根末端の柵の出入口。白い点は降雪
尾根の出出しから新雪に覆われる カモシカの足跡
標高800m肩で傾斜が緩む 標高800m付近でワカン装着
850m肩の送電鉄塔 送電鉄塔から見た千曲の夜景
875m峰 カモシカの足跡
942m峰。午前6時頃にライト不要な明るさになった 霧氷ではなく積雪で白くなっている
おそらく鹿の群れの足跡 自分のワカンのトレース。踏み抜く雪質で苦労する
971m峰 920m鞍部(商売池口)
勘助道(標高950m)。ここからラッセル一気に深くなった 勘助道から五里ヶ峯方向
標高980m付近。深いラッセルでなかなか進まない 標高1020m付近の急傾斜
これも霧氷ではなく積雪。風が当たらない南斜面に見られた 巻道分岐は今回は直登
五里ヶ峯山頂。日当たりがいい場所は雪が締まって快適
五里ヶ峯から見た樹林が開けた西側の展望。千曲より東は快晴だが西や北は雪雲に覆われて北アルプス方面は見えず
帰りは往路の自分のトレースでラッセル回避 勘助道から商売池口間は雪が固く歩きやすかった
送電鉄塔まで下ってきた 送電鉄塔から見た千曲市街地方面。下界も白い
送電鉄塔から見た鏡台山 送電鉄塔から北に派生する尾根入口
往路はここでワカン装着 標高690m付近でワカンを脱ぐ
尾根末端付近から上信越道を見ているが木が邪魔 尾根末端付近でやっと雪が消える
害獣除け柵の出入口から外に出る 尾根末端付近の工場。ここに猫が居る
今回は4匹の猫が日向ぼっこ中 左端の猫。50mくらい離れているのに警戒している
真ん中の猫。私の存在は気にしていないようだ 右端の2匹
下界から見た大峯山。南斜面の木の上には雪は乗っていない 下ってきた尾根
窪山展望公園駐車場到着


 今週は月曜日に下界ではみぞれに近い雨が降り、木曜夜から金曜日にかけてはみぞれに近い雪が降ったものの、予報と違って下界では雪が積もることはなかった。ただし、火曜日の時点で千曲方面の低山の北斜面は樹林が生えているのにかなり白くなっていて、下界とは違ってかなり雪が積もったように見えた。これに輪をかけて木曜夜の降雪を加味すれば山ではラッセルの可能性が高いだろう。それに加えて金曜日は低気圧が通過して週末にかけて冬型の気圧配置に変わって日本海側は荒れ模様の予報で、長野でも雪が降る予報であった。本来、この時期は残雪を利用して日本海側の藪山に登りたいところだが、その日本海側で荒天では出かけてもしょうがない。おそらく長野以上にきついラッセルが待っているだろう。

 以上のような消極的な理由で今回もいつもの鏡台山〜五里ヶ峯周回コースで体力トレーニングに励むことにした。ただし、それなりの積雪が予想されラッセルで時間体力も使うだろうから、先月中旬と同様に1周は断念して途中で切り上げる可能性が高いと予想。左回りにするか右回りで行くか判断に悩んだが、金曜日は半日くらいは雲の切れ間があって日が当たり気温も高めで多少は雪解けが進んだはずであり、雪が減ったはずの南斜面が登りとなる左回りで行くことにした。ただし、この条件が生きるのは主に鏡台山の登りであり、ここまで達せない場合は悪い判断となるだろう。そうなるかどうかは全ては積雪状況次第である。

 土曜朝の出発時、ネットで雪の状況と今後の予報を見たら、長野盆地は雪は降らないが千曲の山は雪が降るという、冬型にしては珍しい状況だった。ただし、こんなパターンでは大雪にはならないだろうから、新雪についてはあまり心配しなくていいだろう。車の外気温計表示は-1℃で、国道脇の温度表示は-2℃であった。出発時は雪は降っていなかったが千曲に入って山に近付くにつれて雪がちらつき始めて予報通りの展開だが、雪雲は薄いようで雲を通して月が見えていた。

 無人の窪山展望公園に到着。地面は薄っすらと新雪が覆っているがmm単位の深さしかないので問題なし。でも山の上はどうだろうか? まだ真っ暗な時間なので山の様子は全く見えない。公園では古い雪は全く見えないが計画通りワカンを持つと同時に、先月の経験を踏まえて軽アイゼンもザックに入れた。先月は長靴でも雪が入ってしまったのでロングスパッツも持つ。ロングスパッツの出番があるほどの積雪量でないことを祈ろう。

 冷たい西寄りの風が吹いて雪が舞う中を南に向けて出発。雪は乾いた軽い雪で衣類が濡れる心配はなく、まずは雨具は着用しなかった。舗装道路も場所によっては雪が薄っすら積もって凍結し長靴では滑る箇所も。この点では山の中の土の地面の方が滑りにくいかも。こんな天気でも新聞配達のバイクが走り回っていた。ご苦労様。

 いつもの尾根取り付きで害獣除けの背の高い柵の内側に入って尾根に取り付く。最初から斜面は薄っすらと新雪に覆われているが、月曜や木曜夜の古い雪はまだ見られない。2月の激ラッセルの時はここから既に5cmくらい雪が積もっていたのとは大きな違いで、これなら山の上も積雪が予想外に少ないかもしれないと期待が持てた。

 松枯れ対策で伐採された古い丸太が積まれた尾根下部を登って傾斜が緩むと倒木帯を通過。この頃から新雪の下に古い雪が見られるようになり、徐々に積雪量が増えてくる。ふかふかの新雪と違って古い雪は表面はクラストして体重をかけるとズボっと沈み込むので、浅い雪でも体力を使う。この点は2月の時よりも不利かな。尾根が明瞭化するとカモシカの足跡が登場し少しラッセルが軽くなるが長続きしない。雪で足への負荷が大きくなって運動量が増えて暑くなったため、フリースの長袖とジャンパーを脱いでTシャツの上に薄手のウィンドブレーカと雨具に変身。保温力はぐっと落ちるが防風対策はバッチリであり、冷たい北風が吹きつける尾根上ではちょうどいい。

 標高720〜790mにかけての急な登りも2月の大雪と比較すれば積雪量は少なく、雪が固いこともあってその時よりは登りやすかった。しかし長靴のままでは踏み抜きの体力消耗が馬鹿にならなくなってきたので標高800mを越えて傾斜が緩んだ箇所でワカンを装着。この時点で積雪量は5〜10cm程度でワカンの効果はまだ不十分だが、いつもと比較して標高の上がり方に対して積雪量の増え方が急であり、早めにワカン装着した方が得だと判断した。実際にこの判断は正解だった。

 もう一段の急傾斜を越えれば850m肩の送電鉄塔に到着。千曲市街地の夜景は降雪で煙っているが、まだ雪雲の中には入っていないようで霞は濃くない。送電鉄塔周辺は樹林が伐採され日当たりがいい場所であり、雪は良く締まって乗っても沈まなかったが、縦走路に乗って南東に進むとズボっと沈むようになる。もしかしたら西向きの尾根は雪解けが進んで楽に歩けるかと期待したが、実際にはそんなことはなかった。

 875m峰を越えて南向きの尾根を下る箇所は雪解けが進んでいて歩きやすい。これが登りだったらなぁ・・・。942m峰への登りにかかると積雪量が増えて完全にラッセル状態で、ワカンが無かったらここで断念したことだろう。積雪量は20cmくらいだろうか。場所によっては長靴でも中に雪が入るのではと思えるほどの積雪で、2月のように長靴の中に大量の雪が入らないようロングスパッツを装着。通常、ロングスパッツは足首から脛にかけて装着するが、長靴ではその範囲は長靴でブロックされるため、長靴の開口部である膝下が隠れるようにかなり上部に装着するのがいい。いつの間にか天候が回復してこの頃には青空が見えて雪は止んでいたが、冷たい北風は相変わらず吹き付けて寒い。

 942m峰のてっぺん付近で傾斜が緩むと同時に積雪が減って10cm程度になって歩きやすくなり、下りにかかるとさらに雪が減って格段に歩きやすくなった。しかし971m峰への登りに変わると再びラッセルに。時折現れるカモシカの足跡がラッセルを軽減してくれるが、カモシカの足跡は左右の足の離れ方が人間と違って近くてほぼ一直線のトレースであり、人間のトレースとは合わないのが難点だ。せめて片足だけはとトレースを利用する。971m峰を越えて南向きの尾根の下りにかかると積雪がぐっと減って格段に歩きやすくなった。920m鞍部(商売池口)付近は北斜面が植林の影響か積雪は少なく、思ったよりは雪が締まってカモシカの足跡が一列に続いていた。

 標高950mの勘助道の標識で北向きの尾根に乗ると、鞍部付近と違って積雪量が急激に増加してラッセルが膝丈まで達するようになり、進むスピードが急激に低下。これだけ雪が深く表面が固まっているのに中はフカフカのままだと、一歩進むのに何度か足元を固める必要があるし、雪面まで高く足を上げる必要があるので非常に疲れる。傾斜がきつい場所ではラッセルのためにピッケルが欲しいと思える場所もあり、長野盆地に近い山とは思えないほどであった。振り返れば自分のトレースは「足跡」ではなく雪の「溝」と化していた。ここまでのラッセルだったらワカンではなくスノーシューの出番であろう。

 体感的には気温は低めだと思うが先ほどまで雪が降ってガスがかかっていたと思われるが、周囲の木々に霧氷は全く見られなかった。しかし風下側の南斜面には木の上に雪が乗って霧氷のように真っ白になっていた。

 五里ヶ峯山頂直下の分岐ではラッセルの距離を短縮するため、傾斜がきつい直登コースを選択。この積雪量でこの急傾斜を登るのは非常にきつく、通常ならピッケルが欲しい場面であるが持ってきていないので周囲の灌木に掴まりながらどうにか登っていく。ここはフィックスロープが張ってあるが当然ながら今は雪の下で使えなかった。

 傾斜が緩めば五里ヶ峯山頂に到着。通常ならここまで2時間だが今回は2倍近い3時間半かかっているし、疲労はいつもの2倍以上だ。山頂は樹林が開けて日当たりがいい場所であり、雪が締まってワカンでは全く沈まず快適に歩けた。残念ながら頭上の天気は良いものの、長野盆地の西側や北側の山々には雪雲がかかっていて北アルプスも雲で見えなかった。

 さてこの先どうするか思案。前回のように鏡台山方向に920m鞍部まで進んで林道経由で降りるのが第一案だが、前回の経験ではここから920m鞍部まで下るだけでラッセルに1時間近くかかっているし、その後も下りであるのにラッセルで大苦戦した。それに林道に出てからもきついラッセルの連続で、前回除雪されていた林道の場所が今回も除雪されているのか保証はなく、その場合はさらにラッセルが長くなって地獄を見ることになる。それだったら往路を戻って自分のトレースを利用するのが得策と判断し、今回は往路を戻ることにした。

 下りは自分のトレースを利用するし、下りなので重力の助けもあるので登りより楽なのは間違いないが、往路のトレースがあると言っても崩れた雪に埋もれていて足を乗せると膝丈まで沈むため、相変わらず足を高く上げる必要があり無雪よりは格段に疲れた。この状況では920m鞍部の送電鉄塔を目指していたら本当に地獄を見たであろう。往路を戻る選択は大正解だった。

 激ラッセルは標高950mの勘助道でいったん終了。帰りは各ピークの登りは南向きの尾根で雪が少ないので格段に楽だったし、高度が落ちると積雪も少なくなってくるのも大いに助けられた。942m峰の下りが北向きの尾根で積雪量が多くなって再びラッセルだが、ここが本当に最後の本格ラッセルだった。

 850m肩の送電鉄塔で北向きの枝尾根に入る。ここで展望が開けた場所は最後であるが、往路と同じく盆地周辺の山は雪雲が覆ったままで北アルプスは見えなかった。良く晴れて鏡台山山頂部が見えていたが、立ち木は僅かに白くなった程度であり、新雪はそれほど多く積もらなかったようだ。

 ワカンを付けたまま枝尾根を下っていき、急傾斜区間を2箇所過ぎて傾斜が緩んだタイミング(標高690m付近)でワカンを脱ぐ。この付近で積雪は足の甲くらいまで減っていた。やはりスノーシューと違ってワカンは軽いので、脱いだ後の足への負荷の軽減度合いは小さい。今回のラッセルの厳しさではワカンでは役者不足であったが、ここまでラッセルが厳しいとは推測できなかったのでしょうがない。

 尾根末端部の日当たりがいい場所では雪が消えた場所も見られた。害獣除け柵の外に出て防寒装備を着用。この先は平地歩きで運動量が減って寒くなるからである。尾根末端近くにある工場の東側の日当たりがいい場所には、この工場に居ついている猫が日向ぼっこ中。見た目では3匹だったが写真で確認したら4匹目の黒猫が写っていた。どの猫も毛並みがいいので食べ物には困っていないようだ。この工場からは甘い匂いが漂っており、おそらく何らかの食品製造をしているのであろう。

 窪山展望公園に到着。駐車場は僅かな積雪でまだ真っ白だが、雪が消えてしまうまでにさほど時間はかからないであろう。冬場だとこの時刻はまだ山肌が太陽を隠して車は日陰のままで車内はキンキンに冷えているのだが、今は季節が進んで駐車場に日が差すようになり車内が温まっていて大助かり。今回はロングスパッツのおかげで長靴の中に雪が侵入することは無かった。でも長靴は防水性と引き換えに通気性皆無のため、自分でかいた汗で靴下が濡れるのが難点。私の場合、冬でも濡れるくらいだからそれ以外の暖かい季節は長靴は長時間の歩きには使えない。駐車場からの展望でもまだ盆地西側の山に雪雲がかかったままで、盆地内を自宅へと車を走らせていると雪が舞い始めた。

 

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